メガネのレンズは、高額になればなるほど、周辺部の“収差”と呼ばれる歪みが少なくなります。
当然歪みは少ない方が、慣れやすくクラクラもしづらくなります。だから高額で高性能なレンズは選ぶ価値があります。しかしながら、せっかく歪みが少ないレンズも、大きく仕上がったレンズを無理やりフレームに入れてネジで力の限り締める。という事をしてしまうと、力がかかってレンズがたわんでしまいます。つまり歪みが出来てしまうのです。
「高額高性能で歪みに少ないレンズが加工によって歪む」という全く意味のないことになってしまいます。
では、レンズを小さく仕上げれば歪みは出来ませんから、小さく仕上げれば解決。とは行きません。今度はレンズが動いてしまいます。特に乱視の目の方はレンズが傾くと、見え方が悪くなります。
それに見え方が悪くならなくても、“レンズがカタカタ動く”とか“レンズとフレームの間にすき間がある”とか“レンズがすぐに外れる”というのは、気持ちのいいものではありませんよね。確かに遠視や乱視の度数がすごく強かったりすると、なかなかうまくレンズが収まらないことはよくあるのですが、最後は人間の手作業でレンズの大きさを微調整し、人間の手作業でフレームとレンズという別々の物を“一つの眼鏡”にしていきます。
機械では限界があるのです。最後は人間の手作業という技術がものをいうのです。